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エジプト緑釉猪口
エジプト緑釉猪口
東洋陶磁研究の第一人者であり、作陶家でもあった小山富士夫(古山子)の蒐集品でエジプトの発掘品である。
雑誌「緑青」に本品が掲載されていて、「青織部に近いがもっとやわらかく、私の愛しているものである(古山子)」と説明書きがある。 -
高麗青磁唐子陰刻紋猪口
高麗青磁唐子陰刻紋猪口
高麗から李朝にかけての時代。よく見ないと見落としてしまうが、見込みには唐子が3人、花のついた木を持って駆けている陰刻紋が見える。実に珍しい盃である。
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李朝染付竹文盃
李朝染付竹文盃
李朝後期、分院窯で作られた。優しい染付で竹の文様をあしらい、見込みには「四角に王」の文字が描かれている。これが何を意味するかは不明だが、上流階級の人々が使ったものか。小ぶりの盃だが手持ちはしっかりと重い。
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古信楽鶴首徳利
古信楽鶴首徳利
古信楽の徳利は見たことがない。大きな壺や蹲るは有名でよく見かけるが、茶碗、皿、盃、徳利などの小物は少ない。この徳利は鶴首で、首の部分はビスケット肌、胴は自然釉がかかり、石はぜ、長石の景色、緋色など信楽の特徴をくまなく持っている。備前の名物徳利「年忘れ」の信楽版。
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初期伊万里福字文徳利
初期伊万里福字文徳利
縦に7個、横に16個、計112個の福文字。これだけの福の字を連ねるとは、実にお目出度い徳利である。結婚式か、正月か、晴れの日に使ったものだろう。面取りされた表面に縦に7個の福を書いているが、どうも下に行くほど文字のデキが悪い。疲れるのか。初期の伊万里は生がけである。野村泰三著「とくり」の第8図に同手の福字文徳利が掲載されている。
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織部葦と沢瀉文徳利
織部葦と沢瀉文徳利
志野、織部などに代表的な意匠である葦と沢瀉の図柄が描かれた徳利である。土岐市文化振興事業団の展示室にこれと同手のものがある。美濃古窯である可児市大萱窯出土と表示されていた。
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鶏龍山粉引鉄砂徳利
鶏龍山粉引鉄砂徳利
白泥に徳利の上部をズブ掛けし、その上に鉄泥で文様を描いている。いわゆる刷毛目に鉄絵を描く鶏龍山鉄絵とは少し異なる。粉引釉はお酒を飲んで飴色に変わり、そのキャンバスに黒々とした力強い文様が一気に描かれている。
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三彩鳥紋徳利
十代 大樋 長左衛門(年朗)
三彩鳥紋徳利
文化勲章受章者 十代 大樋 長左衛門の特注品。金沢市の大樋焼は寛文六年(1666年)加賀藩主の命により裏千家千宗室仙曳が加賀藩に招かれた際、京都在住の楽一門の門人土師長左衛門が同道したことに始まる。特注品
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駱駝絵小徳利
三浦 小平次
駱駝絵小徳利
人間国宝 三浦小平次の小さな徳利。青磁釉のかからない駱駝絵の珍しい一品。特注品である。
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灰釉徳利
岡部 嶺男
灰釉徳利
岡部嶺男は大正8年10月3日加藤唐九郎の長男として生まれた。日展,日本工芸会に所属,昭和38年ごろから無所属。嶺男青磁とよばれる独自な作品を生みだす。日展北斗賞,日本工芸会奨励賞,プラハ国際陶芸展グランプリなどを受賞。平成2年9月4日死去。70歳。愛知県出身。岡部の徳利には織部、志野、灰釉などがあるが、全て似たような造形できわめて特徴がある。また、山の峰を描いたサインがおもしろい。
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萩徳利(映雲)
吉賀 大眉
萩徳利(映雲)
吉賀大眉は萩市の出身で1990年に文化功労者となった。「曉雲シリーズ」「映雲シリーズ」があるが、この徳利は「映雲」と思われる。萩焼の柔らかな特徴と洗練された轆轤引きが際立っている。
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窯変編壷徳利
島岡 達三
窯変編壷徳利
島岡達三は浜田庄司に学び、1996年重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けている。象嵌や辰砂釉、塩釉などで優れた作品が多く、この扁壷徳利は塩釉が窯変したもので、三色に発色した。